下剤の副作用とは?下剤の代わりになる便秘解消法とは?
うんちが1週間以上出ない、重度の便秘の場合、解消法として下剤を使用する場合があります。
下剤を使うと腹痛をともないますが、即効性があり、一時的に解消できる場合があります。
しかし、下剤を使いすぎると副作用があると言われています。
そこで今回は、下剤の使い過ぎによる体への副作用についての詳しい情報を挙げたいと思います。
■下剤による体への副作用はどのようなものがあるのか?
下剤による体への副作用の症状についてまとめてみました。
A腸の機能が衰える
B自然な排便(便意)を消失させる
C依存症の恐れがある
D消化器系全般の機能が衰える
E電解質異常を引き起こす
F大腸メラノーシスを引き起こす
このような副作用があると言われています。
では、上記に述べた各副作用についての詳しい説明をしたいと思います。
@時に激しい腹痛が起きる
下剤を使用すると少なからず腹痛をともないます。
この場合、個人差がありますが、我慢できないほどの激しい腹痛になる場合があります。
この場合、便秘が一週間以上続いている重度の状態の場合、腸内の便がかなり固くなっているため、激痛になりやすくなるようです。
A腸の機能が衰える
自然な排便は、食べたものがS状直腸に到達して、ある程度の便として溜まってくると、腸内の圧力が高くなり、大腸の後半部位である直腸に押し出される形になります。
そうなると、直腸の壁が刺激を受ける事で、脳がそれを感じ取って便意を催すことになります。
下剤による排便は、そういった自然の排便のメカニズムを全て飛ばして行う症状になります。
つまり、直腸を直接刺激する事で便を外へと出します。
腸の蠕動運動や脳からの指令を受けることなく排便を行いますから、それに慣れてしまう事で自力での腸の蠕動運動が起こりにくくなり(腸機能の低下)、脳からの指令も取りにくくなってしまいます。
B自然な排便(便意)を消失させる
「A腸の機能が衰える」で述べたように、自然な排便は腸の蠕動運動と脳からの指令によって引き起こされます。
下剤を使う事で腸の機能が低下し、脳との連携も起きなくなるため、便が直腸に溜まってきても脳からそれを感じにくくなります。
そのため、腸に便が溜まってきても便意を感じなくなってしまいます。
便意を感じないままどんどん便が腸内に溜まってくるため、便秘がさらに悪化する悪循環になりやすくなります。
C依存症の恐れがある
下剤を使用すると、上記で述べたように、「腸の機能の低下・便意が起きない」症状が現れます。
そのため、自力では排便をする事ができず、下剤に頼らざるを得なくなります。
腸の機能が低下し続けていくため、今まで使っていて効果のあった下剤の量では足りなくなります。
そのため、
さらに下剤の量が増える
このような負のサイクルに陥りやすくなってしまいます。
D消化器系全般の機能が衰える
下剤に依存する事になると、腸機能が低下し続けていく事になります。
それが続くと、腸だけではなく、胃や食道、肛門括約筋などの消化器系全般の機能が衰えてしまいます。
そうなることで、摂食障害が起き、食事がおいしく感じられなくなったり、鬱症状を引き起こす可能性が高くなります。
E電解質異常を引き起こす
便秘がひどくなると下剤の量も増えるため、下剤による激しい下痢によって排便される機会が増えます。
下痢は体の水分やミネラルを大量に失いやすくなります。
体の水分やミネラルは生命維持に欠かせない大切な成分です。
水分やミネラルが体から失われる事で、脱水症状や電解質異常が起こりやすくなります。
これによって、むくみや不整脈、意識障害といった副作用の症状が起こりやすくなります。
F大腸メラノーシスを引き起こす
健康な人の大腸は、内部がピンク色をしています。
しかし、下剤依存症になると、本来ピンク色の大腸内部が、色素沈着によって黒くなってしまいます。
これを大腸メラノーシスと呼んでいます。
大腸メラノーシスになると、大腸内部が黒化するだけではなく、弾力が失われて大腸の機能が働かなくなります。
また、大腸メラノーシスになると大腸がんのリスクが高くなるとも言われています。
■まとめ
以上、下剤による体への副作用の詳しい症状をまとめてみました。
下剤を使うと確かに便秘を改善したような気がします。
しかし、それは本来の健康な「自然の排便」とは違った方法で排便を行う事になります。
自然の排便ではない方法で排便を行う事で、次第に体に悪い影響を及ぼすことが分かりました。
そのため、下剤による一時しのぎでの解消法ではなく、「根本から」の便秘改善を行う事が非常に大切になります。
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